流体力学・熱力学

【基礎からしっかり】熱力学第1法則をエンタルピーを使って解説

閉じた系と開いた系はどう違う?

 

今回は開いた系における熱力学第一法則(エネルギー保存則)を解説します。
式(1)がそうです。

\[
Q = dH + W
\]

ここで閉じた系と違うのは、エンタルピーHがあることですね。

閉じた系と比較をしながら説明していきますので読んでみてください。

気体の出入りがあるのが開いた系

閉じた系と開いた系、違いを言葉・図・式で示してみるとこんな感じです。

 

メモ

閉じた系:外とエネルギー、仕事のやり取りがある
開いた系:外とエネルギー、仕事のやり取り の他に、気体の移動もある

図1 閉じた系

図2 開いた系

図1(閉じた系)は、熱が外から入り込み、ピストンの運動で仕事がなされますが、気体の出入りは無い状態です。
図2(閉じた系)は、熱が外から入り込み、ピストンの運動で仕事がなされ、かつ、気体の出入りも有る状態です。

式で比較すると
図1(閉じた系):Q = W + dU   ①
図2(開いた系):Q = W + dH   ②

この時
Q:熱量[J]
U:内部エネルギー[J]
W:仕事[J]
H:エンタルピー[J]

というわけで、閉じた系の話に気体の移動を加えたものが開いた系であるということがわかりますね。
この気体の移動は、ピストンが動いていようといまいと生じています。

圧縮機の計算とかは開いた系で求める場合が多いです。

熱力学第一法則におけるエンタルピーHとは?

閉じた系での①式と、開いた系での②式を比較すると、
内部エネルギーUとエンタルピーHが違うだけですね。

このエンタルピーHは何かというと、
H = U + PV ③
で表され、この式の右辺第二項は、開いた系の説明(図2)にあった物質の移動を考慮していたものなんです。

もう一度図2に戻ってみましょう。

閉じた系では Q = U + dWでしたが、開いた系では、それに追加して気体が上から入り込み、右から出て行っています。
この気体の動きは、さっきも言いましたがピストン運動Wとは無関係に生じています。
ちょうど、風が一定の速度で通り抜けている感じです。

そうなると、シリンダ内のエネルギーは、内部エネルギーの他に、気体の出入り分のエネルギーを足してあげないといけません。

気体が、シリンダの断面Am2を圧力PN/m2で押しているとすると、その時の力F(N)は
F(N) = PA

エネルギーの単位はN・mなので、ピストン内の長さl(m)をかけて
Fl = PAl = PV

というわけで、エンタルピーはめでたく③の式になりました。

そして、開いた系での熱力学第一法則は②のQ = U + Hとなったわけです。

 

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